だらだらとした映画語り【チャット】

映画をチャットにして語っています

ゲット・アウト【ノベライズ版】第2話

 

俳優の紹介

 

門平 善照(かどひら よしてる)。映画で男側の主要人物。20歳の大学生。日本人。細身。

美雪 雪音(みゆき ゆきね)。映画で女側の主要人物。20歳の大学生。日本人でロングヘア。きゃしゃで胸はCカップ

宮本 言左衛門(みやもと ごんざえもん)。映画で門平の親友。20歳の侍。日本人。刀を所持。ボサ髪のチョビヒゲ。

リアナ 恵子(りあな けいこ)。映画で美雪の親友。20歳のお嬢様。外国人と日本人のハーフで、巨乳。体型はスマート。

萌美(もえみ)。映画で殺人鬼(悪役)の立場を取る主要人物。6歳の妖精さん。幼女。小柄で、金髪碧眼。ロングヘア。普段着は白いワンピース。

因幡 雄介(いなば ゆうすけ)。ノベライズの最後に解説を加えるライター。俳優として登場することはない。(と思う)

 

今回の作品紹介

 

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 映画『ゲット・アウト』を紹介

 

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あらすじ

 

パラノーマル・アクティビティ」「インシディアス」「ヴィジット」など人気ホラー作品を手がけるジェイソン・ブラムが製作し、アメリカのお笑いコンビ「キー&ピール」のジョーダン・ピールが初メガホンをとったホラー。

 

 低予算ながら全米で大ヒットを記録し、第90回アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演男優賞、脚本賞の4部門にノミネートされ、脚本賞を受賞した。

 

 アフリカ系アメリカ人の写真家クリスは、白人の彼女ローズの実家へ招待される。

 

 過剰なまでの歓迎を受けたクリスは、ローズの実家に黒人の使用人がいることに妙な違和感を覚えていた。その翌日、亡くなったローズの祖父を讃えるパーティに出席したクリスは、参加者がなぜか白人ばかりで気が滅入っていた。そんな中、黒人の若者を発見したクリスは思わず彼にカメラを向ける。

 

 しかし、フラッシュがたかれたのと同時に若者は鼻から血を流し、態度を急変させて「出て行け!」とクリスに襲いかかってくる。

 

催眠によって掘り起こされた暗い過去【チャットノベル】

 

 食事が終わり、ケーキだらけの身体をシャワーで浴びる。


 萌美の部屋のベッドで、カメラをいじった。
 いろいろ撮れている。


 そういえば、お茶を入れてくれた使用人の日本人女性は、どこか様子がおかしかった。
 お茶が満杯なのに、あふれるぐらい入れてきたのだ。
 萌美のお母さんに注意されていた。


 日本人を使用人として雇っているのは、不況なので正社員の口がなかったかららしい。


 萌美はキリンさんのぬいぐるみを抱きしめ、

 

もー! みんな態度悪すぎ! お父さん、あんなに社交的じゃなかったし、お母さんは使用人たちに厳しいし、弟なんて登録数が稼げないからって、お兄ちゃんにあたって!

 

いいさ。わかってたことだしな

 

 異国の人間の扱いなんて、どこもこんなもんだろう。


 大阪にきて巨人の話をした東京の婚約者が、阪神ファンの嫁のお父さんにガチで怒られるようなもんだ。


 俺には萌美さえいればいい。

 

お兄ちゃん。すんすん

 

 シャワーを浴びた萌美がベッドにもぐり込んできた。


 俺を抱きしめ、顔をぐりぐりしてくる。
 彼女なりのいつもの甘え方だ。


 ベッドの上で、萌美を持ち上げて飛行機雲遊びをしたあと、疲れて寝てしまったので俺も眠る。


 誰かに見られているような気がして、ベッドから起きた。


 萌美はそばで寝息を立てている。


 タバコを吸いたくなったので、部屋を出て外に向かった。
 萌美の前では、さすがにタバコは吸えなかった。
 夜の庭でタバコを取り出していると、誰かが近づいてくる。

 

ん?

 

 夜に目が慣れてくると、それが日本人使用人の男性だとわかった。
 銀色の全身タイツを着ている。
 顔の部分だけがくりぬかれていた。


 ものすごいいきおいで、俺の元に走ってくる。

 

うおっ!?

 

 男は俺の前にくると、曲がってどこかに走り去ってしまった。


 なんなんだ? うわっ!


 家の窓から、すごい目で、日本人女性の使用人が俺をにらんでいた。
 よくよく見ると、般若の仮面をかぶっているだけだ。
 満足気にほほ笑むと、家の奥へと消えていく。


 ホラー映画かよ!


 気味が悪くなったので、タバコをやめて家の中に入った。

 

「タバコはいけないわ」

 

ひっ!

 

 ビクッと跳ね上がる。


 萌美のお母さんが小さな灯りの前で、イスに座っていた。

 

「娘の前では吸ってないわよね?」

 

えっええ。もちろん


「そう。なら良かったわ。お茶はどう?」

 

いただきます

 

 ここは素直に従っていたほうがいいだろう。


 イスに座り、お茶を飲んでいると、違和感に気づいた。
 萌美の母親は、やたらとカップの中でスプーンを回している。

 

「食事のとき気になったことがあったの。お母さんとの関係が悪いようね。何があったか話してくれない?」

 

はっ話したく……ないです……

 

 なんだ?


 言葉がうまく出てこない。


 あの残酷な過去は誰にも話したくないのに、彼女でなら話してもいいような気がしてくる。


 萌美の母親はキーンと、スプーンでカップをたたき、

 

「話すの」

 

 いきなり部屋の光景が変わり、俺は闇へと落ちていた。


 過去、俺は同人誌即売会に行っていた。
 自分で同人誌を描くこともできた。
 お気に入りの二次創作のキャラクターが出ている漫画を買い、興奮しながら家に帰り、男の欲望を発散させていた。


 突然ドアが開き、母親が入ってきて……、

 

ノックして入ってこいよっ!

 

 ベッドから起き上がると、朝になっていた。


 夢か?


 萌美は寝る格好が逆になり、俺に足を向けてイビキをかいていた。


 今日は萌美の親戚たちが来るらしい。
 黒塗りの車が次々と家の前に停車され、萌美の父が玄関を開く。
 みんな背中から透明な羽をはやした、姿形は萌美で、白髪のおばあさん、おじいさんたちだった。


 あれコスプレですかと聞くと、羽化した姿だという。


 萌美の母親が俺のとなりで、「萌美ももうすぐよ」とささやく。


 すっかり恐縮してしまった俺に、親戚たちの質問ラッシュがきた。

 

「日本人は七三分けにメガネにスーツなんだろう? カッコいいねぇ」


「殺人鬼がうじゃうじゃいるらしいね。真実は一つってね! 殺戮はいつ終わるんだい?」


「日本人は犬や猫を飼う人が多いらしいね。養殖して食うの? どんな味?」

 

 間違ってる日本人像に嫌気がさした。


 萌美と一緒に歩いていると、口には出されなかったけど、ロリコンという言葉がチラつく。


 同じ日本人を見つけたが、向こうは白髪の三十歳は離れているおばさんを連れて歩いており、同じ人種でも話しかけるのがキツかった。
 どこかで見たことがある。
 あとで言左衛門に写真を送っておこうと思い、スマホのカメラを向ける。


 昼なのにフラッシュが出てしまった。
 あわててしまうが、向こうはこっちをまばたきせずに見つめている。


 なんだ?


 鬼の形相でこちらに近づいてくる!

 

「出て行け!」

 

うわっ!?

 

 体が空中に浮かび、家の窓を突き破る。


 なんだ? この力は?


 気絶しつつある俺の目の前で、「出て行け!」と言った日本人に、わらわらと妖精さんたちがかぶさっていた。

 

お兄ちゃん! しっかりして!

 

 ああ、萌美に心配させちゃったなと、鼻をすすった。