だらだらとした映画語り【チャット】

映画をチャットにして語っています

ジグソウ ソウ・レガシー【ノベライズ版】第4話

 

俳優の紹介

 

門平 善照(かどひら よしてる)。映画で男側の主要人物。20歳の大学生。日本人。細身。

美雪 雪音(みゆき ゆきね)。映画で女側の主要人物。20歳の大学生。日本人でロングヘア。きゃしゃで胸はCカップ

宮本 言左衛門(みやもと ごんざえもん)。映画で門平の親友。20歳の侍。日本人。刀を所持。ボサ髪のチョビヒゲ。

リアナ 恵子(りあな けいこ)。映画で美雪の親友。20歳のお嬢様。外国人と日本人のハーフで、巨乳。体型はスマート。

萌美(もえみ)。映画で殺人鬼(悪役)の立場を取る主要人物。6歳の妖精さん。幼女。小柄で、金髪碧眼。ロングヘア。普段着は白いワンピース。

因幡 雄介(いなば ゆうすけ)。ノベライズの最後に解説を加えるライター。俳優として登場することはない。(と思う)

 

今回の作品紹介

 

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 映画『ジグソウ ソウ・レガシー』を紹介

 

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あらすじ

 

 猟奇的な殺人鬼ジグソウによって密室に閉じ込められた人々が生存をかけたゲームに挑む姿を描き、「世界でもっとも成功したホラーシリーズ」としてギネスブックにも記載された「ソウ」シリーズの7年ぶりとなる第8作。

 

 監督は「プリデスティネーション」で知られる双子の兄弟ピーター&マイケル・スピエリッグ、脚本は「ピラニア3D」のピーター・ゴールドフィンガー&ジョシュ・ストールバーグのコンビが担当した。

 

 ある密室に男女5人が監禁される。5人は目の部分をくりぬいたバケツを頭にかぶせられ、身体は鎖につながれており、対面する壁には一面に鋭い刃が光っていた。

 

 一方、刑事のハロランとキース、検視官のローガンとエレノアは、町中の公園で発見された死体を検証していた。死体の無残な様子から10年前に死んだはずのジグソウの手口が浮かび上がり、死体に埋め込まれていたUSBメモリを確認すると、「ゲームは始まった。4人の罪人が犯した罪が償われるまで終わらない」というジグソウの声が響きわたる

 

最後の試練トマトケチャップ味の100円アイス【チャットノベル】

 

はっ!

 

 光景が変わった。


 チョコレート地獄から解放され、俺は足を鎖でつながれていた。
 鎖は鉄の輪っかにつながっている。
 外で飼われている犬みたいだ。


 足を切り落とす以外、逃げることはできない。

 

門平君……

 

 リアナがうるんだ瞳で俺を見る。
 彼女も鎖でつながれている。


 机をはさみ、対角線上にいた。

 

起きたようだな

 

 言左衛門は左の壁際にいた。
 怪獣の角みたいに、額に突き刺さった刀は取れていない。


 血は出ていないし、大丈夫だろう。

 

ふごー!! ぐごー!!

 

 美雪は俺の右側で、イビキをかいて寝ている。
 両目がお尻のように突き出ていた。
 背中を壁にして、頭はたれ、両足を投げ出している。


 ……早く起きろ!


 しゃべれない理由は、このゲームの主犯格、萌美が台の上にのって、机を使って、プラスチックのおもちゃの銃を組み立てているからだ。


 壁に囲まれてて逃げ場はない。


 リアナと言左衛門が俺を起こせなかった理由だ。


 萌美は口の周りに焦げ茶色のチョコレートをつけたまま、

 

にいにとねえねは知ってる? カカオは精神に影響するの

ボゴー!!

萌美はこの一週間、チョコばっかり食べてるの。おいしいから

むごー!!

…………

 

 知的な会話をひけらかす途中で、萌美はしゃべるのをやめた。


 いや、さっきのが知的かどうかは置いとこう。


 ポッキーを2本持って、ツカツカと美雪に近づく。

 

えいっ!

ぼうっ!?

 

 萌美は美雪の鼻の両穴にポッキーを突っ込んだ。


 鼻水を飛び散らせ、美雪が目をさます。


 美雪は周りの状況を見て、

 

「ここは!? みんな無事!?」シリアスな顔つきになり、

 

あなたっ! 私たちをここに閉じ込めてどういうつもり! 何が目的なの!

 

 捕らわれた女刑事ぶりを発揮した。


 彼女のイビキが緊迫した状況を殺していたので、「おっおう」としか答えられない。


 言左衛門はむすっとし、リアナは苦笑いだ。


 萌美はまた銃を組み立て始めると、

 

あれは暑い夏でした。萌美はコンビニにアイスを買いに行ったの。ママからおこづかいをもらって。コンビニに入ったとき、にいにとねえねたちが出てきたよね?

えっ!?

 

 頭の中で海馬が活性化する。


 大学の講義が終わった帰り、暑いからコンビニ行ってアイスを買いにいった。
 お会計を終えて、出て行くときに、金髪碧眼の女の子を見た。
 白いワンピースを着て、かわいい子だなとチラ見したおぼえがある。

 

 ――あのときの子かっ!

 

 みんなおぼえているのか、萌美を見つめて口を開ける。


 俺たちは会ってたんだ。
 ゲームマスターと。


 しかし、いったい何をしたというんだ?

 

まだ罪を思い出せない?

……わからない。俺たちは君に何をしたんだ?

萌美が買おうとした、トマトケチャップ味を、全部取ってったの!

……はいっ?

 

 コンビニで買ったのは、100円で買える『トマトケチャップ味』の棒付きアイスだ。
 めずらしいし、安いから買ったけど、とんでもなくまずかった記憶がある。


 売れなかったのか、コンビニからその味は消えた。

 

楽しみにしてたのに! 酸味がすごくて癖になってたのに!

いっいや、それなら、ほかのコンビニで買えば……

疲れるのっ! そこじゃなきゃ嫌なの! 萌美がどんなにくやしかったかわからないの!

わかんないよ。それ

 

 萌美が泣き出したので、あやすように言う。


 リアナが同情したのか、

 

お姉ちゃんが買ってあげるから……

もう売ってないの! 二度と会えなかったの!

あー……売れなくて生産中止になってたよね……うん

 

 ポリポリと頬を指でかいた。


 言左衛門は同情したのかうなずいている。


 美雪は機嫌が悪くなり、眉間に深いシワが寄った。


 萌美は銃を組み立て終わった。
 銃身の長いライフルっぽい。


 それを机に置き、

 

にいにとねえねは選択を間違いました。反省してもらいます。この銃は自由への鍵です。萌美はこれからお昼寝タイムです

 

 大あくびした。


 銃を持って仲間を撃てという意味なのだろうが、緊張感がない。


 萌美はあくびしながら、出口に向かい、

 

じゃね……あれ?

 

 金属製の引き込み戸を閉めようとしたけど、重いのか動かない。

 

うんんんんんんんんんっ!!

 

 両手でひっぱってもだめなようだ。


 なんだろう。癒やされる。幼女のあどけなさに安らぐ。


 美雪が起き上がると、ライフルを持ち、

 

あんたたちを殺さないと、自由になれないわ!

うんしょ! うんしょ!

私は生きなきゃならないのよ! 死にたくないの!

閉められないぃぃぃぃっ! ママァァァァァァっ!

 

 超シリアスな展開なのだろうけど、萌美の幼子ボイスが殺意を殺している。


 もう誰か! 閉めるの手伝ってやれ!


 銃を撃たれたとしても、たぶん死なないだろうから、展開が読めて、リアナと言左衛門は苦笑い状態だ。


 美雪のマジ顔が笑えてしまう。

 

あんたたち! 何ニヤついてんの!

美雪――やめよう

……そうね。めんどくさくなったし。ゲームオーバーでいいわ。もう

 

 美雪は作っていた顔を崩し、ため息をついて、銃を置いた。


 俺たちの海外ドラマはここで終わった。


 萌美は扉が閉められないと警察に泣きついて、俺たちを捕らえてたことを忘れており、事件がバレた。
 涙を浮かべて国家権力には言わないでという顔つきだったので、かわいいから許してあげた。

 


 銃の中身はミルクキャンディーだった。

 


ジグソウ ソウ・レガシー【了】


――――

 

【ライターのコメント】

こんなかわいい殺人鬼がいるのなら、さらわれてみたいですね。(笑)実際の映画はグロがすごいので、苦手な方は観ないほうがいいでしょう。『ソウ』シリーズはいちど終わっているのですが、今回の映画で復活しております。